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No.650 (感想)シン・ゴジラ

これぞ今の日本が世界に発信する内容だ。

ども、KOMOです。

シン・ゴジラ、IMAXで観てきました。

庵野監督ということで、期待半分、不安半分でした。

話をあえて脱線しますが、つい最近「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」を観 たのですが、メッチャ凄い戦争なんだけど、個人プレーで勝っちゃうものでした。

これに限らずハリウッド映画ってどんな事件や災害でも主人公とその仲間の活躍のおか げで成功したり、主人公とその家族だけ絶対に怪我しなかったり、とご都合主義のオン パレードなんですが、つまり「個」なんですよね。

それは2014年のハリウッド版ギャレス・エドワーズ監督の「GODZILLA ゴジラ」でも然 り。

対して、庵野版ゴジラ。

★以下、ネタバレ含みます!

いざ観始めたら、しょっぱなからスゴイではないか!

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 のver1.01の特装版に「テロップ入り本編」という付録 がついていましたが、あれを彷彿させる文字テロップによる過剰な演出がずっーと続き ます。

始まって5分ぐらいで、「あれ?この映画って政治劇なんだ」って思いました。

今の法制下でどうやって未知の事象にどう対応するか、で政治家たちがバタバタします 。

2005年に公開された「宣戦布告」という映画が、北朝鮮の原潜が日本海に座礁して工作 員が上陸したが現法制下でどう対応するのか?諸外国との関係は?ってバタバタするも のでしたが、それを彷彿しました。

ほかには、実写版の劇場版パトレイバーこと「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首 都決戦」の「ディレクターズカット版」を少し前に劇場で観ましたが、これも思い起こ されました。

シン・ゴジラが「群像劇」であるという前情報があったので、いろんな人物の視点から 描かれてゴチャゴチャしてまとまらないまま終わるんじゃないかという不安があったの でしたが、そういうことはありませんでした。

確かにメッチャ人が出てきます。そして個々人の氏名と役職名がバンバン出てきます。

でもそんなのどうでもいいのです。

というか、それこそが今の日本を表しています。

「みんなでなんとかする」

これこそが新生ゴジラ映画であり、今の日本なのです。

ゴジラ(第一形態)が遡上することで起こる波によって船が押し寄せたり、車が折り重 なって潰れるシーン、強制避難のシーン、逃げ遅れて犠牲になる人、生活感残ったまま 無人となった市街地、避難所生活、空間線量の描写シーンなどなど、シーン一つ一つは 非常に短いですが、日本人にとっては心をえぐってくるシーンです。ですがそれに目を 背けてはダメだと思います。またあんなことが(ゴジラではないにせよ)起きた場合、 きっと日本人は立派に立ち振る舞うと思います。

大きな犠牲が起きていても、今生きている人間がなんとかしなくちゃならない、という 「集団」としての日本人の力を描き切っていると思いました。

悲しいけどつらいけど、泣いてなんていられない、そんなことしても進展しないし解決 しない。

目の前の問題を一つ一つ潰していかなければ何も進まない。だからやるんだ、みんなで やるんだ。

シン・ゴジラが伝えたかったのはコレだとおもいます。

さて、以下、細かい感想をざっくばらんに述べます。

①CGなのか実写なのか分からないほどの自衛隊兵器の数々!

とくに10(ヒトマル)式戦車の駆動力、攻撃力、精緻性など、ものすごい描き方でし た(まぁゴジラには全く持って通常兵器が効かないのですが)。
だからといって超兵器が登場するなんてことありません。
「ニンジャ」というキーワードが聞き取れましたが、おそらくは日本が誇る川崎重工製 のOH-1、通称ニンジャ、だと思います。なんせ情報量が多すぎる映画ですので、セリフ と映像と文字を追いかけるのに体力がいりました(笑)。

戦闘における指揮命令系統の描写、1回の戦闘で使う兵器の量(弾切れ)の描写、どれ もリアリティ溢れていました。

②ゴジラのような予測不可能な想定外の災害についての対応がメインですが、これを穿 って観て「やっぱ憲法改正を正そうとしている」なんて思っては全くのナンセンスと思 います。

だって今の法制化でもちゃんとゴジラに対処できたんです。

え?ご都合主義だって?

法というのはルールではあるけれど、そのルールに則らない事案に関しては「解釈次第 で対応できる」ということを描いているのですよ。

私は食品会社勤務ですが、食品を例にとってみても法では最低限のルールすなわち当た り前なことについての取り決めしか載ってなくて、「じゃあこの場合はどうなるんだ? 」というのがしょっちゅう出てきます。

その都度、関係省庁に確認するのですが、「今の法の中でどれに合致するのか」、「こ の法のどの部分をどう解釈したら当てはまるのか」、という作業によって対処法が決ま ります。載っていないからといって法に盛り込む(法改正が必要)という動きには決し てなりません。だってそんなこと国会での話であって現場での話ではないからです。
シン・ゴジラを観ていてそのあたりが思い起こされました。

そうなんですよ、有事が起きても今の法律で問題ないのですよ。

③日米安保の話が複雑に絡んでいました。

他人に助けてもらおうとするなら、その見返りもあり、またそのしっぺ返しもある、と いうことを描いていました。

ステルス爆撃機が日本が頼んでもいないのに日本に飛んできてゴジラに爆弾を落としま した。

日本には米軍基地がある→アメリカはきっと日本を守ってくれるさ⇒そんなことなかっ た。

そして諸外国はゴジラへの核兵器使用を進めていきます。

なにかあったらアメリカは平気な顔してコトを進めます。

大義名分の名のもとに、それこそ今の制度を新解釈して。

核兵器使用を進める諸外国は、ゴジラ退治という大義名分で日本を落とそうとしている 輩かもしれません。

④テロップがうざい?

あんなにいっぱい人が出てきて、名前やら役職やらバンバン出てきて。

で、実のところゴジラ対策はチーム(組織)で行っている。

そう、個々人の名前とかどうでもいいんだよ。組織として機能していればいいんだよ。 つか、それが日本だ。

っていうメッセージだと思います。
なので、テロップうぜぇし意味分かんない、って思ったならそれ多分、庵野監督の思う 壺ですよ。

⑤クライマックスでゴジラが都合よく倒れ過ぎだって?

ちゃんと「計算通り」ってセリフがありましたし「陽動」って言っています。

描かれていないけれど、ちゃんとシミュレーションしていると思います。

主人公一人の勝手な行動でうまくいった!っていうハリウッド映画とは違います。

⑥ゴジラへの攻撃?がショボすぎる?

ゴジラは核の象徴です。そして、あの最後のミッションに使った放水車って、福島の原 発でさんざん話題になったやつじゃないですか。

ゴジラなんて脅威なものに、ショボイ放水車。

ほら、福島のときの暗喩ですよね

⑦ゴジラ第一形態がキモイ、CGへたくそ、何しにきたの、って?

いや、かわいかったよ。ぬいぐるみ出ないかな(笑)。

何考えているか分からない巨大生物のこわさ、そして圧倒的な不気味さ、人類の敗北感 、の描写だと思います。

第四形態ですら目が虚ろなのは、人格とか性格を表していないということであり、何し に上陸したのかすら分からないってのは自然災害に理由なんてありませんよ。

阪神大震災にせよ、東日本大震災にせよ、人間はただた怯えて逃げるだけで、対策は後 手後手だったでしょ。

⑧エヴァンゲリオンだって?

監督の個性が全面的に出てたんだからいいんじゃないの?

悪い味付けとは感じなかったし。

それに、エヴァって庵野監督のもの=日本のもの、だよ。

外国のパクリじゃなくてさ。

⑨セリフが聞き取りにくい?

政治家や官僚の実際の会話を録音して、それをもとに役者に演技させてるんだよ。

だからヘタクソなんじゃなくて、政治家のしゃべり方や素振りは実際あんなのってこと 。

⑩冒頭のボートに乗っていた博士は?

この部分がシン・ゴジラの肝となるところだと思います。

ゴジラ対策で必死のなか、あまり考察・調査できていませんでしたし、あるとしたら( 庵野監督は「一度きりの挑戦」と言ってますので)次作につながる部分でしょう。

行方不明になった場所とゴジラ出現場所が同じというのも気になります。

投棄核廃棄物を調査している際にゴジラを発見してしまったのでは…?

⑪ラストのゴジラの尻尾のアップって?

これも(あるなら)次作をにおわせる部分ですね。

完全体、進化する細胞、のゴジラが断末魔の際に抗った結果でしょう。

話の中でゴジラの次の進化について触れていましたが、もしかしたら行方不明の博士が 取り込まれていて、ヒトの遺伝子を獲得しているのかも。だから、次なる進化としてあ の形を作った。という感じかな?

予想外にメッチャ凄い映画だったのでびっくり&感激しました。

んでわ。

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