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No.658 (感想)聲の形

「聲の形」を今更ながら、観てきました。

平日の最終の回だったんで、てっきり数人かもしくは自分ひとりだけかとおもったら、パラパラと人がいました。多分10人は超えていたと思います。

さて感想をば、と思ったけど、これは人それぞれが受け取って答えを見つけるべきだと思います。

非常にシリアスに描いており、人によっては感情移入する相手が違うだろうが、胸を抉ってくるストーリー でした。

この映画(というより原作も)、聴覚障碍者についてや、いじめについてでもなく、「コミュニケーション の取り方」についてが論点であり、障碍者との接し方や、いじめ問題については何も解決・進展はありません。

それは現実問題として、これらの問題は何も解決していないのが現状なので、映画のお話の中で問題解決し てハッピーエンドになっても仕方がない、ということだと思います。

現にそうでしょう。映画・漫画の登場人物たちが答えを見つけて幸せになったところで、身の回りの社会問 題は何も解決しないので、そのギャップに面白味が感じられない人が出てくると思いますし。

さて、聴覚障碍者の西宮硝子さんについてですが、彼女の発声がすごくリアルだったのに驚きました。

西宮硝子さんほどではないけども重度の聴覚障碍者(私より年下の女性)を部下として数年間仕事をしたこ とがあります。

彼女も小さいころから健常者として扱われてきており、普通の学校に通い、普通に就職活動をし、縁があっ て私と一緒に仕事をすることになりました。

身近な人の感想で、西宮硝子さんについて「なんで聾唖学校に行かないんだよ」ってのがあったけど、それ についての議論はナシで。

※私の方は、残念ながら「聲の形」よろしくその後は恋愛等への発展はナシ(^_^;) そもそも20歳近く年下 だったし、部下だったし(^_^;)、数年働いた後は退社されました。

ま、私の話は置いといて。

その彼女は補聴器を使うことで僅かながら聞くことができ、また読唇することである程度相手(私)とコミ ュニケーションが可能でした。

そんなわけで私は敢えて手話でのコミュニケーションをしませんでした。


で、西宮硝子さんの言葉の発し方がまさにその彼女と同じでした。彼女の方が若干まだ聞き取れやすかった ですが、ああいう発声でした。

※耳が聴こえないので、自分の声(発声)も聴こえないから、どんな風に自分の声が出ているかが分からない 。

すっげぇリアルに描写しているなぁと感心しつつ、声優さんすげぇな!と感心しました。

西宮硝子さんの声を担当されたのは、数あるアニメで主役や準主役をこなしてきた、今は「魔法使いプリキ ュア」のキュアフェリーチェを演じている、早見沙織さんです。

早見沙織さんをはじめて知ったのは、「セキレイ」の主人公、結(むすび)ちゃんでしたね。(てか、セキ レイって2008年なんだな(^_^;) 

ま、そんなことは置いといて、私は原作漫画は未読なんですが、映画は原作の途中までを再編集したような 感じだそうです。

そんでもってストーリーにいわゆる「結論」はありません。主人公がどうやってこれから人との付き合いに 向き合っていくかっていう解決策を見つける、というだけで西宮硝子さんとも、他の友人たちとも今後どうやっ ていくか、という結論は出ないままで終わりました。

これはこれでイイ閉じ方だと感じました。

先ほどの様にご都合主義の様に和解して大団円っていうのはオカシイし、まして主人公(元イジメっ子)と 西宮硝子(障害者で元イジメられっ子)が恋人同士になる、っていうのもオカシイし。


出てくる人物、どれもリアルとエンターテインメントの線引きが凄くよく、一歩下がった視聴者視点(神の 視点)だとめっちゃムカツク奴だらけです。


元クラスメートだった女子2名、それに小学校の時の担任教師、そして西宮硝子さんの母親、などなど

しかし、どれも「実際に居そう」「(彼らの置かれている状況を鑑みると)こんな言動をしそう」というのが率直な感想です。

「神の視点」で「ムカツク奴!」なんて考えても、実際問題として自分に近い人物がこのような人たちだっ たら自分はどう接するのか?というのが最大課題だと思うんです。

ムカツイったってしょうがない。だって「お前ムカツク!」って楯突くの?

「理解する」のが必要と思います。なにも「赦す」訳じゃありません。

「理解した」上で、その人と「どう接するか」を考えたらいいと思います。

余談ですが、私は街でこっち(私)に絡んでくる輩や、公共マナーの無い輩に会ってもムカツクことはしませ ん。「憐れだな」と思うことで、気にならなくします。「彼はこんな言動でしか接することが出来ない人間なん だ」って「理解する」ことで、「可哀想な人だ」「不憫な人だな」と思え、つっかかって文句言ってくる奴らを スルーすることができるようになりました。

映画全体を通しての感想としては、さすが京アニというべき描画力、構成力でした。

説明くどさを感じさせずに必要な情報を画面に出して理解させるというワザのおかげで、非常にテンポよく 進みます。

主人公やその取り巻き、境遇、そして小学生時代のイジメについてリアリティあり、生々しく、それでいて スマートに演出されていました。

主人公の家庭環境などもふくめて、無駄な説明なしに説明する、というスタイルが良かったです。

ちょっと西宮硝子さんの発声の話に戻りますが、小学校の国語の授業で西宮さんが教科書を読むところで、 数十年ぶりに思い出したんですが、そういえば小学校1年だったか2年だったかの頃、短い間だったけど韓国人 の女の子が転校してきて、その子がほとんど日本語が喋れなかったんですね。

国語の授業では読めない、喋れない、でクラス全員微妙な雰囲気だったのを思い出しました。

イジメこそなかったけど、他愛のないからかい程度のことはありました。でも今に思うと本人はどう思って たんだろ…。ってすごくドンヨリしてしまいました。

こんな風に、映画のシーンの端々に、かつての自分を投影して(されて)みたりと、非常に心苦しい場面が 散らばっていました。

それとさすが京アニというべき女の子の描写がすばらしい。あまり説明してしまうとオタクくさくなってし まうので割愛しますが、何気ない仕草が実写映像をトレースしたのか?いやアニメ的に誇張されているがクドく なく、それでいて普通っぽさを演出しており、ホンモノ(実写)以上にホンモノでした。

それに、西宮硝子さんの妹がはじめは男勝りな言動なので観客も男の子って思ってしまうけど、ストーリー が進み女の子ってわかってからの自宅での何気ない仕草が妙に女の子っぽい!喋り方とか男勝りなんだけど、ち ょっとした表情とか腕とか腰の動きで、女性を演出していました。


すばらしい!かの手塚治虫先生が、微妙な腕や足の線の強弱だけで女性を描き切っているに気づいたときと 同じぐらいの驚きを感じました。

・・・あぁ、あまり語らないでおこうと思ったのに熱く語ってしまった・・・。これじゃオタクじゃん。← いや、そうだろ(ナゾのツッコミ)。

さて、この映画はたいへん素晴らしかったですので、是非ともたくさんの人たちに見て、そしていろいろ考 えてもらいたい映画ですね。

映画では答えは出ていません。それは現代社会でも同じ。どう向き合うか、どう接するか、と映画を観終わ った後にいろいろ考えてみるといいですね。

んでわ。

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